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 主張 Opinio

▣ 世界連邦運動と現代 ▣ 時代の追い風を生かそう

(2009年春号

世界連邦運動に新しい風が吹き始めた。

今回の経済危機で、超大国としての存在に衰えが見え始めたとはいえ、アメリカの国際社会への影響力は大きく、オバマ新大統領の下で同国がよりよい方向へ動いていくよう、期待感を持って世界が注視している。

中でも、新大統領が選挙中から核兵器廃絶を政策に掲げてきたことには、世界の平和活動家たちが期待を寄せている。

その政策は米国が一方的に核を廃棄することはしないが、核保有国と協議しながら、実現をめざすという。現実路線であるが、米国が戦後長く、核戦力の均衡の上にこそ平和が保たれるとする〝核抑止論〟を堅持し、旧ソ連と軍拡競争を繰り広げてきた過去を考えれば、画期的といえよう。

この1世紀余りの間に、世界は大きく変わってきた。

20世紀の初頭、世界は〝帝国主義〟の時代で、欧米の列強諸国がアジア・アフリカなどの広い地域を競って植民地支配して栄えた。その利権・領土獲得競争は、2度の世界大戦を引き起こし、一方では植民地での独立運動が高揚。戦後、ほとんどの植民地が独立を達成した。

その後、イデオロギーの対立から米ソ冷戦の時代に入り、世界の国々はいずれかの陣営に二分され、南北ベトナムのように、両陣営の、〝代理戦争〟を余儀なくされる国も少なくなかった。

そして、91年のソ連崩壊後、唯一の超大国となったアメリカの独走体制が続くかのように見えた。しかし、9・11同時テロ事件以降のアフガニスタン・イラク両国を舞台にした〝対テロ戦争〟の泥沼化、そして世界的金融危機と続いた。

世界情勢が混とんとして見える反面、EU(欧州連合)、AU(アフリカ連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)、UNASUR(南米諸国連合)など、近隣諸国が集まって共存・共栄を計る〝地域主義〟も強力に育ちつつある。

かつて第2次世界大戦末期、広島・長崎への原爆投下は、核兵器による人類滅亡の可能性を実感させた。

その危機感の中で、世界政府・世界連邦を樹立し、各国の軍備を全廃、恒久平和を実現しようという、世界連邦運動が生まれた。

この構想は〝実現不可能な夢物語〟と評されることも多かったが、大局的な歴史の流れは確実に〝一つの世界〟を求める方向に向かっている。国連改革の声も今や、国連自身の中でかつてないほど高まっている。

また、オバマ当選の経緯も示したように、インターネットの普及は、従来とは違う形で個々の市民の意識と力を広範に結びつけ、一つの勢力を形成することを可能にしている。

世界連邦は、一国主義を脱した地域的連帯による諸国の成長と、世界市民意識の形成があってこそ実現される

今こそ、こうした時代の追い風を逃すことなく、世界連邦運動の歩を進めたい。


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