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 主張 Opinio

▣ 世界的金融危機のゆくえ ▣ 自他ともに生きる世界に

(2009年冬号

昨年11月14・15の両日、ワシントンで開かれた「金融サミット」は、〝あらゆる措置を実施する〟との「首脳宣言」と「行動計画」を発表して閉幕。アメリカ一国でも、G8(主要先進国首脳会議)でも世界的金融危機は解決できないとの認識が広がり、史上初めて20の国と地域の首脳が集まり、共通の危機打開に向けて議論した。今後の課題はなお多く残るが、今回のサミットの意義は大きい。

金融危機は、アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズの倒産で動乱状態に入った。大手証券各社は、問題のある住宅ローン(サブプライムローン)債権等を自己資本の何十倍もの借金で買い込み、それを、複雑な手法で新たな金融商品として証券化。世界中に売りさばいた。あげくの果てに、元の住宅ローン債券の焦げ付きで失敗した。

リーマン社の負債総額は約64兆円。日本の国家予算総額の3分の1にも相当するのだから、破産規模の大きさは普通ではない。同社関連の日本法人4社も、計5兆円近い負債を抱えて破たんした。お金でお金を生もうとする錬金術、いわゆる〝マネーゲーム〟が招いた厳しい結末といえる。

サブプライムローン問題は、証券大手から金融商品を購入していた企業、団体、個人の間へ複雑に連鎖。本業の収益以外に、株式や証券を利用した資産運用(財テク)利益を、高い比率で見込んでいた会社は、大きな損失を被り業績悪化を招いた。その結果、倒産、株価の下落、不況、雇用不安が一気に世界に広がった。

マネーゲーム化した金融は、世界の実業界に深刻な打撃を与えている。アメリカの三大自動車メーカーも倒産の危機に直面。日本でも、自動車の新車販売台数は11月で前年比30%近くも落ちた。

そして、多くの企業が従業員の削減に走り、手始めとして、派遣労働者・期間従業員などの非正規社員の解雇を発表。新卒者の就職内定の取り消しまでが起こり、問題化している。

世界的な金融危機の原因は、金融の仕組みを悪用した利ざや稼ぎの投機活動が、野放しにされてきたことにある。 日本でもバブル経済崩壊後もマネーゲームは止むことなく、〝金融ビッグバン〟のかけ声の下に、投機的金融取引はむしろ規制緩和され、盛んになった。それらの是正を含め、今や世界の経済、金融システムのパラダイム(基本的枠組み)の大転換が求められる時代になった。

『経済の根本革正なさざれば地上の国はほろびゆくべし』『お土からあがりしものを大切にせざればこの世は治まることなし』『一さいの生産品は地上より更生もまた土よりはじめよ』。人類愛善会初代総裁の出口王仁三郎師は早くから示している。

「弱肉強食的に、競争に勝ち残った者だけが生き残ればよい」という世界から、「分かち合い、自他ともに生きる」世へと更生しなければならない。そのキーワードはやはり〝農〟にある。


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