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 主張 Opinio

▣ 世界的食糧危機の時代 ▣ “農”を国の政策の基本に

(2008年秋号)

 日本は、食糧の自給自足体制を確立することを、国の政策の基本とすべきである。

高度経済成長をとげ、わが国が世界の経済大国と呼ばれて久しいが、この間の経済発展の影で、農・林・漁業の衰退が著しい。食糧自給率は低下の一途をたどってきた。

平成17年度のカロリーベースの食糧自給率は、オーストラリア237%、カナダ145%、アメリカ128%、フランス122%、ドイツ84%、イギリス70%、イタリア62%、スイス49%、韓国47%。日本は40%で、世界的にも極めて低い。平成18年には39%にまで低下。自給率100%を超える国でも、地球環境の悪化やバイオエネルギー原料作物への大幅な作付け転換などの影響があり、安心できない。

資源に乏しいわが国は、経済の柱を貿易に依存するほかないが、世界の自由貿易や自由経済体制の中で、農産物にも同じ原則を当てはめ、輸入国の日本などに輸入関税引き下げや撤廃を求める動きが、穀物輸出国のアメリカを中心に強い。しかし、インドなどの発展途上国からの反対は大きい。

食糧はいざというときは自国内の供給が優先される。自国の食糧確保のために、既に輸出枠の設定、輸出税の賦課を実施した国もある。ロシア、ウクライナ、カザフスタン、中国である。輸出の禁止・停止に踏み切ったのはインド、アルゼンチン、セルビアなどである。

予測では2050年に世界人口は現在の67億人から92億人に増大する。一方、世界の農地面積は、70年以降頭打ちの状態で、砂漠化の進行による減少も無視できない。世界全体で1年間に、日本全体の耕地面積を上回る500万haの農地が砂漠化しているという。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告は、地球温暖化により21世紀半ばまでに、世界各地で穀物生産量が30%〜50%程度減少する所があると見込んでいる。輸入食糧は、今後大幅な値上がりを避けられないばかりか、数量確保さえ困難になるであろう。お金さえ出せば、食糧はいつでも輸入できるという思い上がった考え方は通用しない時代になった。

出口直日三代総裁のお言葉が思い出される。

「今の食糧事情は自給自足にほど遠く、日本は海の彼方の物資に依存しており、一朝それが断たれましたら、それこそお米一粒、菜の葉一枚も尊いことを思い知らされるはずです」(昭和62年)

今年創立60周年を迎えた、人類愛善会の関係団体・(社)愛善みずほ会は、戦後の食料増産運動に始まり、〝お土の心〟を大切にした、有機農法(愛善酵素農法)による食糧の増産・自給運動を進めてきた。

米の消費量が減っているからといって、これからも減反を続ける場合ではない。稲作を土台とする日本の農は、国民の生命の基であり、精神・文化の土台でもある。国を挙げて真剣な対策を構じるときである。


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