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 主張 Opinio

▣ 環境問題を考える ▣ 他を思いやり、一歩を譲ろう

(2008年春号)

 いま、環境問題への意識の高まりから、科学技術や私たちの暮らしのあり方が再び問われている。

 人類愛善会初代総裁出口王仁三郎は、科学のあり方について、今から73年前の1935年(昭和10年)、次のように警告した。

 「愛善は神より発する最高至大の真愛であって、人がその至善の愛を慕ひ求むる心、これに住する心を愛善の精神というのである。故に物質に内在する愛善の力を正しく利用する道が即ち真の科学なのである。人類愛善とは天文、地文、人文の一切を正しくその処にあらしめることである。愛善を基調とせざる科学は愛悪科学であって、かゝる科学は結局人類を真の幸福に導くことができず、かえって科学文明のために混乱と破壊をこの世に招来するものである。愛悪経済、愛悪教育は、利己心に基調をおいて、いたずらに人の心に競争心を誘発せしめるものであって、その道は憎悪と闘争、その終わりは永遠の破壊に至るものである」

地球温暖化、森林破壊、大気汚染、資源乱獲などの環境破壊の現状は、初代総裁の警告がますます現実味を帯びてきたことを示している。

だれの目にも明らかなように、従来の経済も教育も、人間の利己心を基調とし、過度の競争心を起こさせている。それが科学技術の悪い側面を増大させ、今日の地球環境の破壊を招いているのである。

愛悪から愛善への転換をどう実現していくかは、人類愛善運動の大命題でもある。 根本的には、人の心の持ち方の転換、すなわち「改心」こそが核心部分となる。「われよし、つよいものがち」から「われも良し、ひとも良し」への考え方に切り替えなければならない。

そのためには、人生の意味や目的をどうとらえるかが決定的意味を持つ。すなわち、人間の生命の本体は、意識と個性を持って永遠に存続する霊魂であり、死後はその人の心の状態に相応した世界(霊界)に住するのである。愛悪(利己的な愛)に沈んでいては、愛善の世界である天国にはのぼれない。だから、自己の霊性の陶冶こそが重要であるという人生観が無ければ、愛悪から愛善への転換は徹底しがたい。

人類愛善運動も、過去80余年間、常にこの精神の原点に立ち戻りつつ活動している。 出口直日人類愛善会三代総裁は、さらに具体的に暮らしの指標を「少し貧しく、少しひもじく、少し寒く」と示し、世界の飢え患う人々のために役立てる募金活動として、「愛善基金」を創設された。日々神に感謝し、他を思いやり、自分自身は一歩を譲るこの精神こそが、地球環境が深刻な危機を迎えた時代に生きるわれわれに必要である。

この夏、北海道洞爺湖畔で日本政府がホスト役となって「G8環境サミット」が開かれ、緊急かつ具体的なCO2削減方策の確立が話し合われる。

京都議定書から脱退したアメリカも、同議定書ではCO2削減義務を負わされていない中国・インドも、京都以後の新しい枠組みに参加し、積極的な役割を果たしてもらわねばならない。

先進諸国も、経済発展著しい新興諸国も、化石エネルギーの大量消費にたよって生活の向上を図っていたのでは、CO2濃度の更なる上昇と、それによる地球破局への歩みを一層強めることになる。

日本は世界に誇る自然エネルギー利用や省エネ・環境浄化システムのノウハウを持っている。それらを積極的に提供すべき時である。すべての国が、自分の国さえ良ければいいという利己的な考え方から脱却し、最善の叡智と努力を集め、効果的な成果を生むことを期待してやまない。


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