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 主張 Opinio

▣ 安全な農と食のために▣ 土から生まれた野菜こそ最高

(2007年10月号

日本でビニールハウスによる野菜栽培が盛んになったのは、昭和40年代に入ってからのこと。山間地など耕作 積の少ない地域や、気候条件などの農業を営むための諸条件が、他の地域に比べ不利な地域などで、それが利用されるようになった。

夏野菜が冬に栽培され、年末から年明けにキュウリやトマト、なす、スイカ、などが食品売り場に並べられるようになった。消費者は季節以外の時期にもかかわらず、このような野菜が食材として利用できることは便利でもあり、珍しさも加わって消費 が年々増加。現在ではそれが当たり前と言う状況だ。

一方、生産農家にも、季節以外の時期の野菜は市場価格も高く、2倍から3倍の高値で取引され、高収入を得ることが出来るメリットがある。限られた小面積で付加価値の高い農作物が栽培できるとあって、ビニールハウスを利用する農家が増え続けた。

現在どこの農村へ行っても、ビニールハウスが当たり前の光景となった。ひと頃、ハウス栽培の野菜は季節感がない、栄養価が少ない等、一部の消費者などから批判の声が上がった時期もあったが、そんな声も今では聞くことはなくなってきた。

基本的に農業は土を土台に成り立っている。ハウス栽培であっても、土を土台にしていることに違いはなかった。しかし最近、土を全く用いない、新たな農業技術が普及しつつある。

 ビニールハウスではなく、普 の工場のような建物の中で、土ではなく、水と人工光線を利用し、コンピュ-ターで温度や湿度、水に混合する肥料、光線を当てる時間や明るさなどをコントロールして野菜を育てる、いわゆる 野菜工場 だ。葉野菜など比較的栽培が容易で、しかも消費者にも人気のある野菜の 工場栽培 が増えている。栽培できる野菜の種類はまだ限られるが、全国約24カ所でそうした工場が稼動中だという。

工場内は屋外と遮断されているため害虫や病原菌の侵入がなく、殺菌剤や殺虫剤などを使わない無農薬栽培が可能であるほか、 有機栽培野菜 としても出荷できるとか。工場によっては、レタスが毎日500個、一年間一日も休むこと無く収穫でき、出荷価格も変動しないという。

しかし人間は元来、農と食を して 土より生まれ、土に還る存在 だ。長い人類の歴史の中で、農耕は世界各地で様々な文化を育んで来た。それらはすべて自然環境のもと、土を基礎として生まれている。工場栽培された野菜に、土で育った野菜と同じ くもりを感じることはできない。栄養価や安全性の ではどうなのか、不安も残る。

現在のハウス栽培の場合でも、レタスのビタミンCの測定例では、100g中、露地栽培(自然栽培)のものが8mgだったのに対し、ハウスものは、半分の4mgしかなかったことが報じられている。同様のことは他の野菜でも証明されている。

農業の後継者不足が著しい現実の中で、工場栽培の技術も開発されているのかもしれないが、人が直接土と触れ合って営まれる農業と、そこから生まれる野菜が、やはり最高ではないだろうか。


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