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 主張 Opinio

▣ 政権交代後の日本 ▣ 広い視野で未来の設計を

(2009年秋号

第45回衆議院選挙は、民主党が過半数を大きく上回る308議席を獲得。政権交代を実現した。閉塞した政治や社会に思い切った変化を求める期待が、最大野党に向かったのである。
今回の選挙は、平成生まれの若者たちが初めて投票する国政選挙 でもあった。昭和から平成に時代が移り、すでに20年が経つ。
 元号が変わった1989年、バブル経済の崩壊が始まっている。同年、米ソの冷戦も終結し、91年にはソ連が崩壊。EU(欧州連合)がユーロを採用した93年の衆議院選挙では、二大勢力の一方だった自民党が過半数を割り込み、社会党も惨敗。〝55年体制〟が終わったと言われた。
 戦後長く、世界はアメリカ(自由主義)とソ連(社会主義)の二大陣営に分かれた。その中で日本は、軍事的な米国の庇護(日米安保条約)と、 1955(昭和30)年以降続いた自民党の長期安定政権の下で、高度経済成長を謳歌した。
 社会の広い層が豊かさを実感し〝一億総中流〟という言葉も生まれた。日本の経済成長は永く続くと思われていたが、競争原理の放任から、今では一転し、 〝格差社会〟の時代に変わった。産業・経済面でのアメリカの斜陽も顕著になってきた。
 よりかかっていれば、あるいはその中に入れば、一定の安心感や繁栄を享受できる。そんな体制や状況は、遠い過去のものとなった。
 様変わりした国内外の状況をよく分析し、この国の新しい将来像を描くことが、今ほど求められている時はない。各政党だけでなく、国民一人一人に課された課題だ。
 外交・安全保障政策の中で、さっそく、民主党を中心とする連立政権は基本合意として、「核兵器廃絶」「東アジア共同体の構築」「緊密で対等の日米関係」を打ち出した。おおいに歓迎したい。
 旧政権下、北朝鮮の核実験やミサイル発射実験をきっかけに再び、日本の〝核武装〟まで、一部で論じられるようになった。しかし、選択を誤ってはならない。
 世界にはすでに3万発もの核兵器が存在。しかも広島・長崎に投下されたものより遥かに大きな威力を持つ。仮に核を使用し、報復戦になれば、人類の滅亡さえ招く。また、廃棄しようにも、核物質の確実な処理方法はまだない。
 そんなやっかいな代物を今さら増やすこと自体が、ナンセンスだといえよう。
 軍事ではなく民生産業の育成に集中した戦後の日本は、経済発展に成功。発展は韓国・台湾、東南アジア、中国へと広がった。東アジアでは、北朝鮮だけが孤立したまま、発展から取り残されている。今後、東アジア共同体を構築していく中で、〝核なき発展〟に北朝鮮を招き入れていくことこそが求められよう。
 60年前の昭和24年、人類愛善会の活動に世界連邦運動を導入した、出口すみ子二代総裁は次のように詠まれた。『戦争に入れる力を平和なる道につくせばこの世天国』。米国のオバマ政権も核廃絶の方向を打ち出した。核だけでなくあらゆる軍備の廃絶こそが、真の繁栄の基礎だ。この時代をチャンスととらえ、広い視野でこの国と世界の未来を設計したい。


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