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「言語の多様性も世界の豊かさ」

Lingva Festivalo (言語の祭典)創始者デニス・キーフさんに聞く

フランス在住のアメリカ人エスペランティスト・デニス・キーフさんが、昨年8月27日から2ヶ月間、人類愛善会総本部に滞在した。1995年、デニスさんは、人々にエスペラントを含め多種多様な世界の言語に触れる機会を与えるためのイベント、「リングバ・フェスティバーロ(言語の祭典)」を創案。活動を世界に広げてきた。「言語の多様性も世界の豊かさで、エスペラントの可能性も大きい」と話すデニスさんに話を伺った。

デニス
  Dennis Keefe(デニス・キーフ)。アメリカ・イリノイ州生まれ。フランス在住。56歳。世界エスペランティスト教育者連盟(ILE)終身会員。米国イリノイ大学で、経営、ビジネス、言語教育の分野について学位を取得。IBMのセールスマンなどを経て、1999年から、パリの名門ビジネススクールHECでマーケティングを教える。その傍ら、独自のエスペラント訓練法であるBEKkursoを使って、インドや中国など、世界各地で教えている。スペイン語、フランス語、ドイツ語にも堪能。第2次世界大戦中にアメリカ軍が採用していた外国語の教授法をヒントに、短時間に複数の外国語や文化にふれて、外国語学習に対する受講者の関心や能力を引き出す講座として「Lingva Festivalo(言語の祭典)」を1995年に創案。

──エスペラントを始めたきっかけは何だったんですか?
 「1980年、スペイン滞在中にエスペラントに出合いました。当時私はIBMの社員で、スペイン語を学ぶためにマドリードにいましたが、エスペラント教室が賑わっていました。
 もともと私は世界の言語に興味がありましたが、他の言語と異なる独自の理念に引きつけられ、その簡単さ、そして、平和的な国際性と、優秀な表現力に魅了されました。エスペラントは英語に比べて簡単で、教えていても、生徒の成長をすぐに実感できます。また、より中立的で、規則的な文法に沿って単語を作り、理解することができます。
 また、外国人が英語を話そうと思えば、イギリス人やアメリカ人の生活習慣に注意したり、同じ英語でも、使用地域に応じて、文章の違いも学ばないといけませんが、エスぺラントの場合はそんな努力は不要です」


 ──Lingva Festivalo(LF、リングバ・フェスティバーロ)とはどんなイベントですか?
 「子供からお年寄りまで家族で参加しても楽しめる、数多くの言語を紹介し、学ぶための1〜2日間のイベントです。95年、私がフランスで第一回目を主催したのが始まりです。これまで18カ国で開催され、最大のLFには82言語、延べ3千6百人以上が参加しました。
 開催期間中は、参加言語についての基礎的な授業が、それを母国語とする講師によって、一時間以内で数回ずつ開かれます。参加者は、どの講座でも自由に受講でき、その言語が使われている地域、あいさつ程度の簡単な文章、今後の学習方法などについて知ることができます」

 

最近のリングバ・フェスティバーロから。ロシアを中心にウクライナ、デンマーク、フランスなどで開かれた

──参加者の反応はいかがですか?
 「大変好評です。参加者は、とても楽しかった、言葉が好きになった、これからも継続して開催してほしいなどといった感想を残しています」 ──LFを通して何を目指しておられますか? 
 「この世界は、多様性を持った生態系の豊かさによって保たれていることが、科学的にも証明されていますが、言語に関しても同じことがいつか証明されるでしょう。人類がエスペラントという国際共通語を持つと同時に、世界の言語が多様であればあるほどよいのだ思います。今は、英語が力を持ち、ほかの少数派言語を圧迫している状況ですが、LFの目的は中立の立場で、世界中のあらゆる言語や文化の地位や権利を向上させることにあります」


──エスペラントの将来性ついてはどう思われますか?
 「エスペラントを学び、使うメリットはたくさんあります。例えば、子供時代にエスペラントを学んでおくと、後に外国語を学ぶとき、より早く理解し、覚えることができます。年配者にとっても、知能や精神面のトレーニングになります。
 また、大本・人類愛善会も含め、世界では何百という組織がエスぺラントを使って、世界平和のために活動しているように、さまざまな国際的行事も開催できます。
 もし良い条件が整えば、エスぺラントは今後、大きく成長するでしょう。例えば、EU(欧州連合)の共通語に採用されたり、世界中の親が、子供の外国語学習に役立つことを理解して学ばせたり、ビジネスの面でも役立つことを企業家が理解したりすればです。そのためにも、エスぺラントの教育が大切なのです」


 ──独自の教授法も開発しておられますね。
 「BEKkursoです。BEKは Baza Esperanta Kursoの略なんですが、鳥のくちばし(beko)の意味にもかけてあるんです。鳥は口ばしでさえずり、コミュニケーションしますね。BEKkursoは、見る、聞く、話す、動作で示すなど、人間の五感をフルに活用して、エスペラントを習得できるようにした、今までにない教授法です。
 また、インドと中国でもエスペラントを教えましたが、西洋語とは全く文法構造が違う言語を母語とするアジアの人々には、西洋流の教授法・学習法とは違うやり方が必要だと感じ、アジア向けの学習書も作っているところです」


 ──エスペラントを上達させるよい方法は?
 「読書量を増やし、耳で聞く訓練をもっと行えば、完璧に会話ができるようになるでしょう。単語を覚えるために効果的な方法は、文法を気にせずに本を多く読むことです。また、PIV(※)という、とても良い辞書がありますので、これを手に入れることも良いでしょう。また、この良書があるからこそ、エスペラントは成功する可能性を持っていると思います」

 ──どうもありがとうございました。 2008年1月号 聞き手・出口美鈴(本紙)

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