国内ニュース

いま、世界連邦と平和を考えよう

=ピース☆フェスタfromくらしき=

岡山県の世連宣言50周年を記念して開催

世界連邦運動と平和について考える市民イベント、『ピース☆フェスタfromくらしき』(主催・同実行委員会、共催・外務省、世界連邦運動協会ほか)が、2月7日から10日まで、岡山県倉敷市の市芸文館と市立美術館を会場に開催された。
 岡山県は昭和32(1957)年に「世界連邦都市」を宣言。その後県下の38市町村が続いて宣言した。同県の宣言から昨年で50年を迎えたことなどを祝い、県下の世界連邦運動や市民運動団体などが中心となって企画。地元政財界、文化・マスコミ界も支援して開かれた。

民族舞踊

メーンプログラムである9日の『地球平和フォーラム—平和な未来をこどもたちに』は、自治体サミット「平和への取り組み」、国際情勢講演「日本の平和づくり外交—『祈る平和』から『つくって育てる平和』へ」、パネルディスカッション「平和な未来をこどもたちに」で構成された。
理事長 岡山県下の自治体首長らによる「自治体サミット」は、「世界連邦の実現を目指して、自治体として可能な施策を行う」とした共同声明文を宣言。このあと、広島原爆記念館を管理運営している(財)広島平和文化センターのスティーブン・ロイド・リーパー理事長(写真)がスピーチ。「世界平和実現のための長期的な課題は教育で、短期的な課題は核兵器の廃絶。世界で最も核を保有したがっているのはアメリカ。唯一の被爆国である日本こそが、核や戦争に対してノーと言っていくべきです」と訴えた。

 大切な市民交流

午後からの国際情勢講演では谷口智彦外務省副報道官が講演。日本の世界連邦運動が、日本の国際刑事裁判所加盟への強い後押しをしたことや、03年以来、綾部市などの世界連邦都市宣言自治体が主体となって、イスラエル・パレスチナの紛争遺児を日本に招いて交流してもらう「中東和平プロジェクト」を実施してきたことにふれ、「外交は外務省の専有物ではなく、市民レベルでないとできない大切な外交があります」と述べた。

風船   平和を願い色とりどりの風船を空に放つ、主催者や参加の市民ら。イベント期間中はフリーマーケットやチャリティーオークション、無料呈茶、歌や郷土芸能の披露なども多彩に開催。また、世界連邦運動の歴史や原爆被害、NGO・NPOの平和活動などの展示も設置し、訪れた市民らは催しを楽しみながら、世界連邦運動と平和について考えを深めた

 また、『地球平和フォーラム』の締めくくりとして行われたパネルディスカッションで、岡山県に本部を置く国際医療ボランティアNGO・アムダの菅波茂代表は、98年、アフガニスタン全土の子供たちに医療ワクチンを接種させるために、対立していたタリバンと北部同盟の代表を岡山に招き、停戦協定に合意を得た経験を紹介。「殺し合っていている大人にとっても、子供を失うことは絶望的なこと。また、子供の幸せと平和は相互に関係しています」と述べた。
 また、谷口外務省副報道官は、日本政府がパレスチナ自治区で行っている母子健康手帳の配布活動などを紹介。「母子手帳に子供の成長を記しながら愛情をもって子供を育てた母親は、自分の子供をテロリストにしたくはないし、愛情の中で育まれた子供はテロリストになろうと思わないのではないか」と述べた。
 市民の立場で発言した尾川夏子さんは子育て中の二児の母。「憲法改正の議論では、平和や日本を守るために軍事力が必要との意見がありますが、平和は武器を捨てることで初めて生まれるのではないか」と訴えた。第二次世界大戦中に日本で唯一の地上戦が行われた沖縄県の出身で、祖父母らから戦争体験を聞き、学校で戦争の悲惨さについて詳しく学びながら育ってきたという。

 半世紀かけ世連宣言

イベントに参加した高知県の森田須磨子さんは、昭和29(1954)年、19歳の時に世界連邦運動に感銘して参加。以来、半世紀をかけて周囲に呼びかけ続け、2001年に地元の十和村(現・四万十町)の世界連邦都市宣言を実現させた。
 「十和村の宣言で世界がすぐに変わるわけではないですが、いつか、世界という体は良い細胞ばかりになって、戦争好きの悪い細胞がなくなり、健康な体になる。十和村もその一つの良い細胞になれたのだと思います」。森田さんの思いだ。
 また、パネリストは初体験だった尾川さんは、「平和について訴えていくことが私の役目なのかもしれない、と気づかせてもらいました」と話していた。
 今回のイベントは、私たち市民一人ひとりの小さな積み重ねが、世界を平和に近づけるのだと、あらためて感じさせた。

ページトップへ
Copy Right: Jinruiaizen Shinbun