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イスラエル・パレスチナは共存できる

「紛争遺児の会」が力強くアピール

2年ぶり「中東和平プロジェクト」再開、小金井市で
市民交流会
中央大学付属高校大講堂で開かれた市民交流会

日本・イスラエル・パレスチナの市民交流イベント「中東和平プロジェクトin小金井」が、7月28日から8月2日の日程で東京都小金井市で開催された。今年で5回目となる「中東和平プロジェクト」は、紛争で肉親を失ったイスラエルパレスチナの高校生を日本に招き、ホームステイや日本文化の体験、日本の高校生や市民との交流などを楽しみながら、共に未来を見つめてもらおうというイベント。2003年7月、日本の世界連邦宣言都市第1号の綾部市(京都府)が中心となり、全国規模の実行員会を組織して初めて開催された。

中東和平プロジェクトはその後、世界連邦宣言自治体の岡山市(2004年)、徳島市(2005年)、亀岡市(京都府、2006年)に引き継がれて開催された。イスラエル・パレスチナ情勢の悪化などから、昨年は開催されず、プロジェクトの継続が危ぶまれていたが、関係者の熱意と努力が実り今年の開催にこぎつけた。

太鼓の練習
小金井市では阿波踊りが盛ん。阿波踊り体験の一コマ
小金井市役所職員有志の連(阿波踊りのグループ)と一緒に踊りを楽しむイスラエル・パレスチナの若者たち(小金井市立第1小学校体育館で)

今回はイ・パ双方から計9人の紛争遺児が来日。滞在中は和服の着付け、茶道、花道、阿波踊りなどを体験。7月31日午後に開かれた公開イベント「市民交流会」では日本の高校生の質問に答える形で、プロジェクトに参加した感想や喜びを語った。(⇒別コラム:イ・パ高校生の声)

綾部市での第1回プロジェクトから、現地側のコーディネイトや日本への遺児引率を担当しているのは、イ・パ双方の紛争遺族で組織する「The Parents Circle - Families Forum(紛争遺族会)」。同遺族会には約500家族が加入し、肉親を殺された憎しみを共に乗り越え、平和、和解と寛容の精神を訴え、子供たちにも伝える活動を続けている。

パレスチナ側遺児を引率して来日したカリード・アブ・アワッドさん(紛争遺族会部長)は、市民交流会で次のように語った。

アワッドさん
カリードさん

「私たちは、イスラエル・パレスチナ双方の国民に対して、二つの国民が仲良くなって共に生きていく、その見本を示したいのです。1993年の両政府による“オスロ合意”によって開始した『中東和平プロセス』は、成功していません。政府が合意文書に書名できても、実際にそれを成功に導けるのは双方の国民、市民なのだと思います。私たち双方の背景にある文化、言語、宗教はすべて違います。唯一、皆が共有できることは、お互い同じ人間だということなのです。ですから私たちは、お互いを変えるのではなく、そのまま受け入れることを訴えています。お互いに十分に土地があり、なんとか水もあります。足らないのは、愛であり、開かれた心なのではないでしょうか。私は楽観主義者ですから、心の中に平和を築き、お互いに一致点を見いだし、共に生きていくことは必ずできると思っています。私自身も2人の兄弟をイスラエル兵に殺されました。しかし、復讐(ふくしゅう)は私の兄弟を戻しません。私自身のためにも、息子たちのためにも、私は和平と和解の道を選びました。それが世界平和につながると思ったからです。私たちは皆、まず自分の心が平和でなければなりませんし、周囲の人と仲良くしなければなりません。しかし、最もエネルギーが要るのは、自分の敵と仲良くすることです。敵と戦うより、敵と仲良くなることの方がもっと、人としての強さを要求されるのです」

また、イスラエル側遺児引率者のアリエラ・シャイノックさん(紛争遺族会教育担当マネージャー)は次のように述べた。

 アリエラさん
アリエラさん

「今回来日したのは11人という少人数ですが、帰国すればそれぞれが、今回、日本で学んだことを伝える使者となり、両地域の和解を促します。私たちの重要な活動の一つに、紛争遺児たちが参加するサマーキャンプがあります。今回来日した子供たちも、来年のサマーキャンプでリーダーを務め、小金井市での体験をほかの子供たちにも伝えてくれるでしょう。また、日本政府からも資金援助をいただき、お互いの地域の視点から歴史を語りあう事業も行っています。地域社会や学校を訪問して、対話学習会も開いておりますが、年間のべ3万人が参加してくださっています。今回の来日で私たちは。他国の人々が私たちをどう見ているかを知り、将来自分たちがどうありたいかを考えてみる機会を持つことができました。私もイ・パ両地域をもっと平和で穏やかにしたいと思いました。日本の皆様が私たちの未来作りに協力してくださったことに、とても感謝しています」

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