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「平和であってこそスポーツもできる」

ロスオリンピック金メダリスト 具志堅幸司さんが講演

第67回世界連邦市民講座(広島)

平和公園
広島平和祈念公園

第67回『世界連邦市民講座』が、9月5日午後1時から、広島平和記念資料館東館メモリアルホールで開催された。世界連邦運動協会広島支部・世界連邦中国ブロック協議会・人類愛善会広島協議会が主催し、広島市・(財)広島平和文化センターが共催、NHK広島放送局・中国新聞社が後援。150人が参加した。
 この市民講座は、世界連邦運動協会広島支部が昭和43年から開催。今回は「スポーツと平和」をテーマに、1984年のロサンゼルスオリンピックでつり輪と体操個人総合で優勝し二つの金メダルに輝いた、具志堅幸司さん(日本体育大学教授)を講師に招いた。
 最初に世界連邦運動協会副会長で同広島支部長の城忠彰教授が、世界連邦運動について紹介。
 「明治の廃藩置県で江戸時代に260もあった〝国〟が、〝日本という一つの国〟になった。世界連邦はまさに〝世界の廃藩置県〟で、同じ一つの体制の中で人類が平和と繁栄を追求する。それは不可能ではなく、すでにEUは国の枠を超えた〝一つの欧州〟実現という壮大な実験をしている。世界連邦の実現には、私たちが〝地球市民〟という意識を持つことが最も大切です」と述べた。

リーパー氏
スティーブン・リーパー(財)広島平和文化センター理事長
「今や〝第3次世界大戦前〟という状況」

 続いてあいさつした(財)広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんは、「世界の核問題は、危機的な状況にあり、今は第2次世界大戦の〝戦後〟ではなく、第3次世界大戦の〝戦前〟です」と指摘。
 「来年5月に開かれる核不拡散条約再検討会議では、世界が核兵器廃絶に向かうのか、すべての国に核兵器保有を認めるのかを決めることになり、人類は大きな岐路に立っている、今こそ、世界連邦という考え方が大切。来年5月に向けて広島の世界連邦運動から、核廃絶を求める大きなうねりを起こして下さい」と呼びかけた。

具志堅幸司氏
世界連邦市民講座で講演する具志堅幸司さん。昭和31年、大阪生まれ。清風高校から日本体育大学へ。昨年の北京オリンピックでは、体操の男子強化本部長と監督を務めた。日本体育大学教授

講師の具志堅幸司さんは、「オリンピックを通して世界を考える 『目標を定めた生きかた』〜選手として、指導者として〜」のテーマで講演した。
 最初に実体験を紹介。「1980年、私は初めて、オリンピック出場選手に選ばれました。しかし、喜びはつかの間、モスクワオリンピックはありませんでした。ソ連のアフガニスタン進攻にアメリカが反発し、参加をボイコット。西側諸国も同調し、日本も不参加でした。スポーツをするには、まず世界が平和でなければなりません。私は平和の尊さを、スポーツを通して訴えたいと思っています」と述べた。
 そして、高校時代の恩師から贈られた『生きがいシリーズ』(出口日出麿著)や周囲の励ましを支えに、度重なるケガや自らの弱点を克服し、オリンピック出場を果たした体験を語った。
 日本体育大学で後進を育成する現在の気持ちとしては、「選手たちには、体操を通して〝生きること〟を学んでほしいです」と述べた。

講演する具志堅さん
ロサンゼルスオリンピックの映像を映しながら体験を語る具志堅幸司さん。1996年、広島で国体が開かれ、前年からアドバイザーコーチとして月に1度、広島を訪れていた。講演でも「平和記念資料館の展示を見る度に胸が詰まります。あらゆる所で平和の尊さを訴えていかなければならないと思います」と語った(9月5日、広島平和記念資料館東館メモリアルホールで)
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