脳死は人の死≠強引に衆院採決

拙速審議と誘導された投票

やがて総選挙 そんな議員たちを選んではならない

阿部知子さん
A案提出者グループは採決の当日、衆議院本会議場で「A案支持者と投票先を決めかねている方へのお願い」とのチラシを全議員に配布した。写真はA案提出者グループのチラシを手に、採決のあり方を避難する阿部知子衆議院議員。チラシには赤字で強調し「必ず、A案に投票して下さい」とあるが、説明内容も事実を誤認させるもので、脳死や臓器移植法について深い知識を持たない議員を誘導し、A案支持を半ば強制している。採決の模様は阿部議員のホームページに詳しいが、こんな投票行動が国政の場で許されてよいのだろうか? (6月24日、参議院会館で開かれた「臓器移植法改悪に反対する緊急集会」で)

 臓器移植法の改定案は、賛成263票、反対167 票という結果で、脳死を一律に人の死とするA案が衆議院で採択された。改定案は4案が出され、結果は伯仲するだろうとの、大方の予測を裏切る結果となった。
 これには理由があるだろう。まずは、党議拘束をはずし、個人の判断に賛否をゆだねたとはいえ、実際は記名投票だったこと。これでは、だれがどう投票したかがわかり、党内の力関係などから、自由な投票行動はできなかったと推測される。
 そして、一部メディアも報じたように、当日の本会議場では「A案に投票して下さい」とのチラシが、与党のA案提出議員らによって各議員に配られていたことだ。
 臓器移植法の制定から12年が経過し、国会議員の顔ぶれも変わった。同法制定の過程で議論が盛んだった頃と比べ、脳死についての勉強不足が議員の間に目立つ。
 こうした、十分な理解を持たない議員たちが、自らの判断ではなく、圧力や誘導によって票を投じた結果のA案通過と見るべきだろう。「A案に投じたが釈然としない気持ちだ」。そう話す議員もいた。
 いのちや生死の問題が、政治の駆け引きの延長で扱われてよいのか。折しも国会解散と総選挙が取りざたされている。こうした問題を軽々しく扱う候補者を、私たち市民、有権者は選んではならない。

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