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エスペラントならではの交流楽しむ

「国際言語年」に協賛し入門講座開催

新潟のエスペランティスト・人類愛善会員ら
第1部・公開講演会「「モザイク国家・スイスの文化と言語について」。通訳は吾郷孝志エスペラント普及会事務局長

ユネスコの国際言語年(2008)に協賛し、エスペラントを広く市民に知らせようというイベント『エスペラント語へのお誘いーエスペラント語の歴史とやさしい入門講座』が、昨年12月17日、新潟市のクロスパスにいがたを会場に開かれた。

(財)日本エスペラント学会新潟(県)支部が主催し、新潟県エスペランティスト連絡会の共催、エスペラント普及会ほかが後援。同連絡会事務局の清水隆男さんを中心に、新潟で日ごろからエスペラントを学び同連絡会に加わっている市民、人類愛善会員らが企画、運営した。

清水さん
清水隆男さん。日本エスペラント学会新潟(県)支部代表。新潟県エスペラント連絡会事務局

清水さんは15年ほど前、市の図書館で、エスペラントを使っての世界旅行体験記、『エスペラント国周遊記』(著・出口京太郎=現・人類愛善会特別顧問)を読んだ。それをきっかけにエスペラントに興味を持ち、学習を始めた。

公平な精神で言語の壁をなくそうというエスペラント運動に強く共鳴。その普及に熱意を傾けてきた。2005年には地元・柏崎市の外国語講座の一つとしてエスペラントを教えた。海外エスペランティストとの交流会、エスペラント紹介のパネル展示なども、たびたび開いてきた。

スイスからエスペランティストを迎えて

今回は、来日中のスイス人エスペランティスト、ミレイユ・グロジャンさんを迎え、入門講座を開催。約20人が参加。エスペラントならではの雰囲気の中で、異文化交流を楽しんだ。

ミレーユさん
ミレイユ・グロジャンさん。世界エスペラント協会エスペラント検定試験委員長、スイス平和教育者協会共同議長、合気道有段者。15年前に初来日し、合気道の仲間を通じてエスペラントに出合う。2007年、世界エスペラント大会・横浜、その後、 「Bonvenon al Oomoto 2007!」にも参加

最初にミレイユさんが、『モザイク国家・スイスの文化と言語について』のテーマで、自国について紹介。「ヨーロッパは、ラテン系、ドイツ系、スラブ系の三つの文化圏から成り立っており、スイスはラテン系とドイツ系双方の文化を消化しています。公用語はフランス語、ドイツ語、イタリア語で、地方語のロマンス語も半公用語となっています」と、言語的、文化的に多様な国の成り立ちを語った。

日本ではスイスと言う国名や美しいアルプスの風景は良く知られている。しかし、実際の国情について知る機会は少なく、ミレーユさんの解説は、興味深いものだった。

スイスは人口約700万人の小国だが26の州がある。各州が強い自治権を持つ。教育も各州が独自に行い、国の教育省はない。生活のために国民は多言語を学ばなければならない。徹底した多言語・多文化主義の国。直接民主主義制の国で、重要な法案や案件は国民投票にかけられること、などなど。

1291年、3つの小国が盟約を結んだことが、スイス建国の端緒とされる。「多文化・多言語政策を敷き、小国の集まりが国家へと発展したスイスの歴史は、今日のEU(欧州連合)の原形です」と述べた。

片桐・五十嵐さん
長年、新潟でエスペラントを学び学習会を開いてきた、人類愛善会員の片桐千百合さん(右端)と五十嵐セツさん(中央)

日本人にとってはスイスはまさに、「異文化の国」。参加した市民からは、活発な質問があいついだ。また、「エスペラントを実際に耳にするのは今日が初めて」という参加者は、エスペラントが他の外国語と同様に実際に言葉として機能しているのを目にして、驚いた様子だった。

続いてミレーユさんを囲み、参加者全員で軽い昼食を楽しんだ後、清水さんが、「エスペラントへのお誘い」のテーマで講演した。

ザメンホフ祭も開催

ザメンホフ祭
ザメンホフ祭でエスペラントの歌を歌う新潟エスペランティスト連絡会の皆さん

夜には会場を変え、新潟県エスペランティスト連絡会の有志がミレーユさんを迎えてザメンホフ祭を開催。楽しく有意義なひとときを過ごした。

今回のイベントは新潟県内でのエスペラント行事としては初めて、地元主要マスコミも後援。「新聞の案内を読んで参加しました」という参加者もあった。また、新潟在住の中国人女性も「中国の知人がエスペランティストで、私も関心を持ちました」と、来場していた。

「今回参加していただいた皆さんにも声をかけ、さらにエスペラント講座を続けていきたいです」と清水さんは話し、新潟におけるエスペラント運動の新しい展開が期待されている。

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